コラム

フィリピン人採用に関する独自ルールとは

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フィリピンの労働力の輸出は、世界最大を誇るともいわれています。現在、平均年齢が26歳のフィリピン人は職を求めて世界中に移住しています。

こうした状況下で、フィリピン人労働者を海外の企業から守る目的で設定されたのが、直接雇用を禁止するという独自のルールです。

今回は、フィリピンにおける就労状況から独自ルールが設定された背景、独自ルールの内容、その他の政府によるサポートについて解説します。

著しく経済が成長し続けている昨今のフィリピンですが、それを支えているのが海外で働くフィリピン人に優しい独自ルールです。

しっかり理解して、フィリピン人雇用の際に役立てましょう。

フィリピンの就労における現状

フィリピンは、世界有数の労働力の輸出大国といわれています。GDPの約1割を海外からの送金が占めており、経済成長に大きく貢献しています。

また、国民の平均年齢が2022年5月の時点で約26歳と大変若いのもフィリピンの特徴です。人口の約4割は19歳未満であり、人口分布はきれいなピラミッド型をしています。

こうした統計をみると、労働力に溢れて活気がある状況が予想されますが、現状は高い失業率が問題視されています。

特に若者の失業率が約15%と高く、大学卒業後に一度も仕事につけていないということもよくある状況です。

フィリピン政府は海外で働くことを推奨しており、多くの若者が海外での就労を選択しています。

というのも、フィリピンは英語力の高い国として知られており、様々な国での就労に向いているからです。英語能力指数は14位で、日本が49位なのを考えるとかなり高いことが分かります。

政府の手厚いサポートも、若者の海外就労を後押ししているでしょう。フィリピンには、海外就労するフィリピン人を守るための政府機関が複数あります。

渡航前に丁寧なオリエンテーションを行ったり、求人情報を提供したりといったサポートから、トラブルが起こった際の対応まで、フィリピン人が海外で働きやすい環境づくりのために、政府はあらゆる対策を行っているのです。

フィリピンが雇用の独自ルールを設定した背景

海外で働く労働者が多いフィリピンでは、雇用の際に独自のルールを設定しています。オリジナルのルールを適用した理由を理解するには、フィリピンの歴史的背景を辿ってみる必要があります。

フィリピン人の海外就労は、スペイン統治下にあった1571年から1898年までの時代に遡ります。その後、アメリカの統治に移り、アメリカで就労するフィリピン人が急増しました。

フィリピンが独立を果たしたのは1934年です。第2次世界大戦を経て、フィリピン人の海外就労の整備をはじめたのは、マルコス政権下においてになります。

海外企業からフィリピン人労働者の需要が高まると、直接雇用契約を禁止して労働者の送り出しを政府が管理するようになりました。

1982年にはフィリピン海外雇用庁(POEA)を設立し、海外におけるトラブルの仲裁する権限が付与されます。

続くアキノ大統領政権、ラモス大統領においても海外での労働者は優遇され、海外労働者の増加がさらに進みました。

独自ルールを知っておこう!フィリピン人労働者の直接雇用は不可

フィリピン人を雇用する際、フィリピンの制度上では直接雇用契約を結ぶことは禁止されています。

フィリピン政府が認定しているPRAと呼ばれる送り出し機関を通して各種の手続きを行わなければ雇用できないというルールを理解しておきましょう。

現地で採用活動をする際だけでなく、既に日本に住んでいるフィリピン人を雇う場合も同様なので、注意が必要です。

フィリピン在住の採用者についての、雇用までの大まかな流れは以下の通りです。

PRAと契約を締結し、POLOに書類申請を行ったら面接を受けます。審査が通ったら、POEAに企業登録をして採用活動をはじめます。

在留資格認定証明書の交付申請を行うのも忘れないように行いましょう。在留資格認定証明書が発行されたら採用者に送り、これを提出してビザを取得します。

ビザが発行されたらPOEAでOEC(海外雇用許可証)の発行を申請して手続き完了です。

このように、現地に赴き直接スカウトをして、日本で働いてもらうということはできない仕組みになっています。必ず上記で紹介したような正規のルールに従って進めましょう。

フィリピン人を雇用する際は、独自ルールによりエージェンシーへの手数料など料金がかかる上、各種申請を行うことで時間もかかることを理解しておいてください。

送り出しだけじゃない!フィリピン政府の手厚いサポート

フィリピンでは、海外労働者への政府のサポートが充実していると前述しました。それは、労働者が働く際の手続きやトラブルが起きた際の支援だけではありません。

フィリピン在住の労働者が海外へ渡航する前には、丁寧なオリエンテーションが行われます。これは、フィリピンCFOセミナと呼ばれ、海外居住フィリピン人委員会により海外生活での注意点に関する説明が行われるものです。

CFOセミナーを受講するとパスポートにステッカーが貼付されます。これが貼られていないと出国できないほど、サポートは徹底されています。

また、NGOや労働者団体とのネットワークを構築することによる支援も積極的に行っています。

まとめ

労働力の輸出大国であるフィリピンでは、海外企業の需要と国内の失業率の高さによる供給が重なって、多くの人材が海外で働いています。

GDPの約1割を海外就労者が担っていることから、フィリピン政府は支援に力を入れており、直接の雇用を禁止するという他の国にはない独自のルールを設定して労働者を守っているのです。

フィリピン人を採用する際は、必ず独自のルールと流れを理解してから進めるようにしましょう。

 

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