フィリピン人を新たな労働力として雇用する場合、注意すべき点がいくつかあります。採用時にフィリピン独自のルールを守る必要がある他、フィリピン人の特性や外国人を雇う際に重要なポイントがあるからです。
今回は、フィリピン人の雇用を進める際に押さえておきたい注意点を紹介します。トラブルに発展する前に、事前にきちんと確認するようにしましょう。
雇用時にフィリピン独特のルールを遵守する必要がある
フィリピン人の雇用の際に、最も気をつけるべきなのは直接雇用が禁止されている点です。フィリピン以外の国では、現地に赴いてスカウトしたり日本在住の外国人を採用したりといった方法で雇用を決定しても問題ありません。
しかし、フィリピン国籍の労働者は政府公認の現地のエージェントを通じて採用活動を行わなければいけません。
フィリピン政府では、海外での就労を希望する求職者をサポートする体制が充実しています。というのも、実にGDPの1割を海外の労働者が担っているからです。
まず、海外で働くフィリピン人を保護するための規制や監督を行う官庁としてDOLE(フィリピン労働雇用省)があります。
さらに、フィリピン人の権利を守るための機関としてのPOEAや、各国に設定されているPOLOがあります。
フィリピン人を雇う場合は、これらの機関を通して手続きを行う必要があります。
採用時に費用がかかる
フィリピン人を採用する際は、他の国の外国人労働者を雇う場合より+αの費用が発生します。
通常かかる費用は、以下の通りです。
- ・在留資格の手続きにかかる諸費用(収入印紙、証明写真など)
※申請を行政書士に委託する場合は別途費用がかかります - 渡航費
- 賃金(日本人と同額が基本)
- 日本での生活費(家賃、携帯電話の契約費など)
- 日本語学校の授業料
これらに加えて、フィリピン人を雇う場合はPRAに支払う手数料が15~50万円程度かかります。他の国では、雇われる側が仲介料を支払うのが一般的ですが、フィリピンの場合は雇う企業が支払うことを理解しておきましょう。
フィリピン人の国民性や文化の違いへの理解が必要になる
これはどの国の労働者を雇う際でも同様ですが、その国の特徴を学び理解した上で接する必要があることも、注意すべきポイントです。
まずフィリピン人の特徴として、ホスピタリティに富んだ人が多いことが挙げられます。そのため、社員を大切にする職場環境であれば、より力を発揮できるでしょう。
逆に、パワハラが横行しているような環境は理解に苦しみます。人前で自分が怒られるといったことがあれば、日本人が思っている以上に落ち込んでしまう可能性があります。
もう1つ、フィリピン人の特徴でよく挙げられるのが、忘れっぽい人が多いことです。陽気でポジティブな性格の人が多い反面、物事を記憶して仕事に活かすといったことが苦手なのです。
時間にルーズで計画性がないのも同様です。コミュニケーションをとるのが得意で、誰とでも分け隔てなく接することができる明るさを活かし、細かいマイナスポイントはできるかぎりフォローするようにしましょう。
在留資格を確認しなければならない
こちらも、フィリピン人労働者だけに限ったことではありませんが、在留資格の確認も注意すべき点です。日本の企業が外国人を雇用する際は、必ず確認が必要になります。
在留資格とは、外国人が日本に滞在するために目的を証明するもので、審査により付与されます。
在留資格は、報酬が得られるものと得られないものがあります。また、就労が認められている業務範囲や在留期限も、在留資格の種類によって異なる点も注意が必要です。
在留期限は、出入国在留管理庁に届け出をすることで更新できます。
外国人労働者を雇う際は、任せる業務の範囲が規定内であるか、必ず確認するようにしてください。
もう1つ注意したいのが、新規で在留資格を取得する場合です。職歴や学歴によっては在留資格が得られない場合があります。
その場合、採用活動にかかった費用が無駄になってしまうので、必ず事前にしっかり確認するようにしましょう。
ちなみに、在留資格とビザは全く別物です。ビザは、入国を許可するためのもので、入国すれば不要になります。
報酬は日本人と同じ金額を設定する必要がある
給料の金額は、日本の労働基準法に基づいて決めましょう。同一労働同一賃金が適用される点は、技能実習でも同様です。年齢や勤続年数、スキルなどを元にして適切な給料の額を判断すると良いでしょう。
諸外国で働いた経験があるフィリピン人も多いので、各国の最低賃金を考慮するのも大切です。
雇用契約を結ぶ際、契約書に最低賃金を下回る金額を記載してあれば契約自体が無効になります。
まとめ
日本の企業がフィリピン人を雇用する際、最も気をつけるべきなのが、直接雇用はNGという独自のルールです。必ず現地のエージェントを通して採用活動を行う必要があるため、手数料が余分にかかってしまう点を理解しておきましょう。
また、陽気で明るい反面、忘れっぽいなどネガティブな特徴もあるので、深く理解しておくようにしてください。
在留資格の確認や賃金についても配慮が必要になります。