フィリピン人の雇用をする際、POLOと同時にPOEAへの申請も必須になります。POEAは、Philippine Overseas Employment Administrationの略称です。
日本企業が直接フィリピン人を雇用できないという独自にルールがあるため、必ずPOEAの承認を得なければなりません。
承認を得るためには多くの書類の提出が必要になり、時間と費用がかかることを理解しておきましょう。
そこで今回はPOEAについて、その役割や承認までの流れなどについて詳しく解説します。
フィリピン人雇用において欠かすことのできないPOEAを深く理解するために、お役立ていただければ幸いです。
フィリピンの海外雇用戦略におけるPOEA
フィリピンは人口に見合った就職先が国内に少なく、経済が不安定なために失業率が高いといった理由から、海外で働く人の割合が非常に多い国です。
その歴史は、マルコス政権下の1970年代まで遡ります。この頃から、フィリピン政府は、外貨の獲得などを目的に国家戦略として積極的に海外での就労を推進するようになりました。
こうした流れの中で、1982年にPOEA(フィリピン海外雇用庁)が設立されました。海外就労者の数は、1986年からのアキノ政権、1992年からのラモス政権でも変わらず増加の一途を辿り、政府はPOEAの権限をさらに強化するなどしてサポートしてきました。
さらに、海外労働者の家族に対する福利厚生を充実させるための海外労働者福祉庁も設立しています。
もう1つ、フィリピンにおいてPOEAが必要な理由があります。それは、海外労働者の収入を把握することです。
就労者の割合が約1割を占めるフィリピンでは、海外就労者がどれだけの収入を得ているのかが、税収を調整するために必要になるからです。
このように、POEAはフィリピン経済を支える大きな柱として海外で働くフィリピン人を強力にバックアップしているのです。
具体的なPOEAの役割とは
POEAの役割は、雇用主への承認を行う以外にも幅広く活躍しています。主な目的は、海外で仕事をするフィリピン人について、人権及び労働環境を管理することです。
DOLE(フィリピン労働雇用庁)の管轄の機関になります。
業務内容の1つとして、海外で働くフィリピン人が出国する前に行う勤務先の審査があります。勤務先の登録情報、契約内容の適正、勤務形態、職種などを細かくチェックして実際の労働者に代わってジャッジします。
POEAの手続きが正常に完了していなければ、日本のビザを取得していたとしても出国ができないほど厳格なルールです。
POEAの審査が免除される特例として、ITエンジニアなどの高いスキルを習得しているケースがあります。
それ以外はPOEAに登録しているエージェントと契約を結んだ上で手続きを行う必要があります。
POEAが発行するOECとは
POEAが審査を行った結果、特に問題がない場合はOECと呼ばれる海外雇用許可証を発行します。海外での就労を希望するフィリピン人は、OECを取得しなければ出国が認められないので注意が必要です。
OECは、発行から60日間の有効期限があり、一時帰国した場合は再びOECを取得する必要があります。一時帰国の際には、OEC免除申請を行うのを忘れないようにしてください。
POEAの承認を得るまでの流れ
日本企業がPOEAからフィリピン人の雇用を認められるまでのステップは、以下のようになります。
- 現地の送り出し機関であるエージェンシーと契約する
- エージェンシーと協力して必要書類を準備する
- POLO東京またはPOLO大阪に書類を提出する
- 英語で面接を受ける(通訳を介しても可)
- 合格後は許可書類をエージェンシーを通じてPOEAに提出する
- POEAの承認を得る
POEAの承認を受けたら、エージェンシーを通じて現地での求人活動がスタートできます。現地での採用活動を行い、就労者が確定したら、POEAに採用者に関する書類を提出してOECの発行を打診します。
まとめ
POEAは、フィリピン労働雇用庁であるDOLEの所轄であり、海外で就労するフィリピン人を守るために設立された政府機関です。
フィリピンは、人口に見合うだけの就職先が不足しており、海外で働く人の割合が多い国です。外貨の獲得などの目的もあり、政府も海外での就労を後押ししています。
こうした中で、フィリピン人が働きやすい環境を守るためにPOEAが設立されました。POEAは、各国にある出張所であるPOLOから提出された書類や企業との面接を通して、フィリピン人の就労に問題がないかを厳しくジャッジしています。
そのため、就労者にとっても雇用主にとっても大きなトラブルが起こることなく、快適な雇用関係を結ぶことができるのです。